「所感」閲覧に際して、以下の諸点にご注意下さい。
NPC主導(むしろNPCオンリー)の長編。自作の絵は非常に美麗で演出も凝っている。
普通の女子高生(中世ファンタジー世界?)がある日突然盗賊ギルドのマスターになってしまう。
最初はコメディタッチだが、敵対派閥との抗争がはじまりストーリーはシリアスに展開する。
PCたちが一人また一人と敵に対象消去されていき、怒りに燃えたNPCは敵本拠地に乗り込んで……という展開。
快感と思う人と不快に思う人が出るだろう。私は後者だった。
NPCが(定番の)体操服・水着はもとより割烹着やらもんぺやら無駄に(15種類!)着替えたりするので、
その手のが好きな人にはいいかもしれない。
おすすめ度:★ 着せ替え度:★★★★★
短編ギャグ3点詰め合わせ。タイトルに謎とあるが、とくに謎はない。
各話のあらすじはこんな内容。
(1)リューンに住む偏屈な魔術師が、屋敷の周りに囲いを作ったらしい。
(2)リューンの街で娘さんにばったり出会った冒険者達は、「娘さん、粋だね」と声をかける。
(3)古代遺跡で魔犬と対峙する冒険者たち。対峙の後、魔犬がなにかを落としていく。
おすすめ度:★ 小噺度:★★★★
NHK教育の番組のパロディらしい。ジャンルはミニゲームになるんだろうか。
キーコードによって親父さんが動いたり、踊ったりする。
同作者の『たんけんぼくのまち』『警部補・相原茂三郎』あたりのネタがわかる人には受けるのかもしれない。
本筋とは関係ないが、セリフに何の断りもなく「3ch」云々とあるのが気になる。
関東以外の住人(関西では教育テレビは12ch)もいるので、その辺の配慮は欲しい。
おすすめ度:★★★ アルゴリズム度:★★★
シュールなギャグシナリオ、あるいは言語学入門シナリオ。
言語学者の依頼で「言語の秘密」が封印された古代遺跡を探索しつつ、言語学の諸課題を議論する。
「三元社の5段インデントは読みにくい」とか、多分その筋の人にはわかるのかもしれないが、
門外漢プレイヤーの理解をハナから拒絶した業界ネタ・身内ネタの連発は、ギルド登録シナリオとしてはあまり感心しない。
それから、作者の就職口が見つかることを祈る。
おすすめ度:★★ お勉強度:★★★
著作権の切れた文学作品をカードワースシナリオに再構成する「カードワース青空プロジェクト(CWAP)」。
古典文学の翻訳に挑んだ『源氏物語』もいよいよ10帖目「賢木(さかき)」の公開に漕ぎ着けた。
年上の愛人・六条御息所との別れ、父・桐壺院の崩御、源氏とあやまちをおかした藤壷中宮の出家、
源氏失脚のきっかけとなる朧月夜との密会と、イベントてんこもり。
プロジェクトリーダー・わかむらさき特急さんの現代語訳は相変わらず平易で解りやすいし、視覚的にも美しい。
メニューカードの配置も申し分ないし、情報カードが背景の理解を助けてくれる。
CWAPは「桐壺」から「空蝉」まで3作一気に出し、「夕顔」「若紫」と月刊ペースで発表して驚愕したのだが、
ここに来て更新スピードが落ちた。「賢木」の発表は、前回の「葵」から6ヶ月かかっている。
このまま順調に「須磨」あたりで止まるんじゃなかろうか。
おすすめ度:★★★★ 受験に役立つ度:★★★★
店シナリオ。美少女が経営する「あくび指南所」ができた。親父と冒険者は連れ立って出かけることに。
宿の亭主が一生懸命「あくび」を習得しようとするストーリーがついているが、これが退屈で、退屈で……
おすすめ度:★ 退屈度:★★★★★
超巨編読み物シナリオ。
全6部・総プレイ時間20時間超におよぶ作品を仕上げた根気には素直に頭を下げよう。
内容について多々言いたいことはあるけれども、お願いだから通しプレイだけはきっちりしてもらいたい。
1回プレイすればわかるミスが多すぎる。
たとえば第1部、例の大仏が降ってくるプロローグが終った次に、
第1部のエンディングに飛ぶのは明らかにおかしいじゃないか。
(いやま、本当は3時間かかるものを5分で終了しても、あまり問題はなかったのだけれども)
「親方、空から大仏が降ってきたよ!」
間違いなくプレイヤーの9割以上は、冒頭のセリフで振り落とされる。
私はNPCたちがどうにも気に食わないし、この巨編を通じて言わんとするテーマにも説得力があるようには思えない。
文章も読みにくいし誤字だらけ。テンポも悪い。かなりストレスがたまる。
作者も通しプレイしていないならば、よっぽどのヒマ人(まさか私一人?)しかクリアしていないのではないか。
作者に伝えたい。この巨編は、あなたが膨大な時間を注いで作ったシナリオのはずだ。
そこまでして描きたかったものがプレイヤーにまったく伝わらないのは残念じゃないか。
プレイヤーにあなたの情熱をまっすぐ伝える努力をしてほしい。
健闘を祈る。
おすすめ度:★ 疲労度:★★★★★
戦国時代にタイムスリップした冒険者たちが、豊後のキリシタン大名・大友宗麟に依頼されて城を守る戦闘シナリオ。
敵は、僧兵や一向一揆。大友家の城下で開かれているクリスマスを潰すべく、わらわらと襲いかかってくる。
単に力押しでもダメだったり、位置取りとか戦略とかが重視されたりで、
ゲームシステム自体はおおむねよく練られているように思われるのだが、
いかんせん戦国時代の設定が無茶苦茶だ。ツッコミを入れるとキリがない。
立花道雪の「必殺技」が「放電」って、一体何だ。
大友宗麟は守護大名というよりも戦国大名と呼んだほうがいいと思う。
おすすめ度:★ 考証の必要度:★★★★★
全5編、すでに完結した形で同時に公開された。稀有な連作。
宿にふらりとやってきた謎の美少女。
物語は二転三転、いつの間にか魔王の復活から世界を救うことに――
あらすじだけ、あるいはタイトルだけでも、不安になる要素が一杯のシナリオ。
それだけに裏切られる。このシナリオはすこぶる面白い。
レベル10の天才少年少女NPCがわらわら出てくるというだけで「うへえ」と言う人もいるかもしれないが、
この作品のNPCたちには上っ面だけの「キャラクター」ではない、それぞれに深い人間観察にもとづく個性がある。
われらがPCは「格下」なわけだが、NPCの戦闘下請けにはさせられない。要所でこまやかな心理描写の妙がある。
うちの宿のレベル3の老人PCがレベル10の天才少年少女たちを叱ったり励ましたりする様がツボにはまった。
「レベル」はあくまでも冒険者としての生存術のレベルであって、人間としての深みとはたしかに違うよなあと再確認できる。
壮大な物語を読ませるしっかりした文章力と的確な描写、そして絶妙なテンポ。
展開はお約束のようでいて、先が読めない。早く先が知りたいともどかしくなる。つい引き込まれる。
作者とプレイヤーとの「対話」がなりたっているというのか、押したり引いたりの力加減が絶妙。
説明不足でもなくクドすぎるわけでもなく。自然に話の中で世界を把握していくことができる。……いや、把握したはずだったのだ。
終盤明らかになる真実によって、それまで把握した世界がまったく違う容貌を見せるさまには驚かされる。
それまでに張り巡らされた伏線がただ一点に向かって一気に収束していくさまは圧倒的だ。
「強力NPC主導の壮大なシナリオ」でも、名作たりうることを実証した稀有な作例と言えるだろう。
すべての謎が明らかになった後、静かに展開されるエピローグは涙なくしては読めない。
たしかに、この壮大な物語を終えたあとの感慨は、RPGツクールでは決して表現できないものだ。
CWはツクールの代替品ではない。
この作品はCardWirthでつくられなければならなかった作品だ。
おすすめ度:★★★★★ CWをやっていてよかった度:★★★★★
短編読み物シナリオ3点詰め合わせ。タイトルに闇とあるが、とくに闇はない。
各話のあらすじはこんな内容。
(1)宿に、やたら長い名前の依頼人があらわれた。
(2)冒険者達は、16spでソバを売っている屋台に目をつけた……
(3)横暴な店主を懲らしめるために、冒険者は伝説の食材「チリトテチン」を買いに出かけることに。
おすすめ度:★ おあとがよろしいようで度:★★★
○大変重要なおしらせ (2005/04/01)
このページはフィクションです。
シナリオ名・作者名はすべて架空のものであり、実在のものとは無関係です。
google検索等で十全を期しましたが、万一同様・類似のシナリオ名・ハンドル名の方がありましたら申し訳ありません。
なお、特定のモデルはありませんので、あしからず。
時間のムダだった、ネタがつまらなかったという方、大目に見てください。今日はエイプリルフールです。
「林家ヨンジュン」ネタがわからなかったという方。たまには落語も聞いてみてください。
実際に作りたいという方。止めはいたしません。