拾穂文庫

CardWirthとは

CardWirth ver.1.20 宿画面
冒険者たちの拠点「冒険者の宿」
※画像内の素材の著作権者:groupAsk
"CardWirth"(カードワース、以下CW)は、「マルチシナリオ型」のロールプレイングゲーム(RPG)であり、Windows用のフリーソフトです。剣と魔法の中世ファンタジー風世界を舞台に、プレイヤーの操る「冒険者」たちが、「冒険者の宿」を拠点に、さまざまな依頼に応え、冒険の旅に出る――というのが、CWの基本的なシステムであり、世界観です。

視覚の面では、「キャラクター」「技能」「メニュー」などのすべてがカードで表現されているのが特徴です。テーブルトークRPGと通じる雰囲気を持つという世評のとおり、「主人公(プレイヤーキャラクター)たち」も「冒険(シナリオ)」もプレイヤー自身の手で生み出すことのできる、自由度の高いゲームです。

インターネット普及期の1998年に、GroupAsk の手によって発表されてから十余年。現在もなお多くの「シナリオ」が生み出され続けている、息の長いゲームです。現在、最新版の本体(ver.1.50) は、下記の 公式ファンサイト で配布されています。

カードワース愛護協会 さん「groupAsk official fansite」
groupAsk official fansite

CardWirthの特徴

冒険者を送り出そう

CWには、多くのコンピューターRPGとは違い、与えられた主人公はいません。
CWの世界を駆ける「冒険者」は、プレイヤーが最初に登録しなければならないのです。
性別・世代・顔・素質・性格…… それらの設定は少々面倒かもしれませんが、
自分が創造したキャラクターを物語世界に送り出せるのは CW の醍醐味の一つです。

CWは、基本的にはこうした「冒険者」たちがさまざまな依頼に応え、冒険を重ねていくゲームです。

カードで表現される世界

CWのゲーム画面を見てみましょう。
人物や情報などは画面上にカードの形で提示されており、戦闘もまたカードによって表現されています。
冒険者たちはカードを選んだり、カードに対して技能を発動することによって行動していきます。

CW のシステムが持つ大きな特徴の一つに「数値隠蔽」が挙げられます。
レベルが表示され、適性が目安として示されるほか、
キャラクターやアイテムの能力が具体的な数値として表されることは(基本的には)ありません。
その分、数値の強弱よりも各自の持つ冒険者イメージを優先できます。

CWはプレイヤーが想像の翼を自由に広げることができるゲームであると言えるでしょう。

無限に広がる物語

冒険者が受ける依頼、その一つ一つの冒険の物語が「シナリオ」です。
CW は、ゲームシステムを司る本体(エンジンとも呼ばれます)と「シナリオ」が分離されています。
プレイヤーは、「シナリオ」を自由に追加することができます。

CWには「シナリオエディタ」が附属しており、
多少の根気と想像力があれば誰でも比較的容易にシナリオを制作できます。
すでに多くの方々によって、千を優に越える追加シナリオが制作され、
公式ファンサイト内の 「ギルド」( Adventurer's Guild )や各作者のサイトなどで公開されています。

そのジャンルは
TRPG風ミッションをはじめとして、ゲーム性に力を入れた探索もの、演出に力を注いだ読み物、
あるいは正統派中世風ファンタジーから西部劇風・SF風作品に及ぶまで、実に多岐にわたっています。

もちろん、多くのプレイヤーに支持されるような作品を制作するのは容易ではありません。
シナリオが玉石混淆であるのもまた事実です。
しかし、すぐれた作品が多くの制作者たちによって作られてきましたし、これからも作られていくでしょう。

CWは、限りない可能性と終わることのない冒険を提供してくれるゲームなのです。

CWの過去・現在、そして未来

CWはgroupAskのお三方により、1998年8月に発表されました。
このゲームに魅せられた人は多く、数々のシナリオを生み出していきました。

groupASK さん「GROUP ASK WEBSITE」
GROUP ASK WEBSITE

groupAskさんのご多忙により、2003年6月にギルドの運営など「公式サイト」の機能が、
有志の集まり「カードワース愛護協会」によって引き継がれました。
2003年8月、ver.1.28(通称「新エンジン」)が最初の姿を現し、
1999年8月以来長らく親しまれてきたver.1.20の機能や外観に大きな変更が加えられました。

私は、想像力を広げる余地の広いCWを、素晴らしいゲームだと思っています。
CWの世界はこれからも続いていくでしょう。続いていって欲しいと思いますし、
プレイヤーとして、またシナリオ・素材提供者として、続けていきたいと思います。

私の作ったシナリオが、どなたかに何かの感興を与えることができれば嬉しいですし、
本サイトで提供する素材が、まだ見ぬ同好の方々のシナリオ作りに多少なりとも寄与できれば幸いです。

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