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拾穂文庫

第六回CW座談会 中編

「CW座談会」は、ラ・フランスさんが主催されているチャット企画です。わたし竹庵にも声をかけていただき、「第六回CW座談会」に参加させていただきました。

ログは、参加者が分担して公開することになっております。本ページは全3部のうち「中編」となります。

目次ならびに凡例

読みやすさを考え、明らかな誤字や、修正が加えられた発言、複数回にまたがる発言については訂正を加え、前後する応答などについては順序を入れ替えています。また、小見出し、補足(カコミ内)などを加えました。

ログ

―― 「前編」(ラ・フランスさんのブログ)より続く ――

背景素材とシナリオ

ラ・フランス > なるほど、閑話休題終了です。竹庵さん、テーマの提示おねがいします

竹庵 >私は背景素材を提供しているわけですが、背景素材にはどのような可能性があるのだろうかと。一応、シナリオ作者も兼ねているわけで、両方の立場はわかるような気でいるのですが、どういう素材があるとうれしいかとか、どういう素材があるとシナリオが広がるかとか、そういうあたりのことをお尋ねしたく思います。

竹庵 >素材屋からすると「これ一枚から想像が広がる!シナリオができる!」というような素材を提供したいなとは思うのですけれども。

ラ・フランス > ひとえに背景素材といっても絵素材や写真素材がありますが、前者ははまると強い、後者は汎用性が高いという気がします

竹庵 >そうですね。私は写真のほうですから、とりあえずはそちらが念頭にありますけれども。

バルドラ >絵は、描く方の個性が出やすいですからね。もちろん、写真もそうなんですが。

ラ・フランス > WEB用の背景素材をセルに使ったり、分割画面にしたり、素材の可能性というよりも使い道を考えてしまいます

シナリオとインスピレーション

竹庵 > 話が飛びますが、シナリオはどのように作りはじめられます? なんといいますか、インスピレーションの出所みたいなの。

バルドラ >うーん・・・あるとき、なぜか降ってわきます。

ラ・フランス > 最近は底本から着想を得ることが多いです

バルドラ >「素材を見たり聞いたりしてシナリオができる!」という経験が無いので、ものすごくあこがれます。

竹庵 >音楽とか絵とか、「素材」からなんとなくイメージが広がるというのがあるのかなと。

ラ・フランス > 音楽はないですが、カード絵なら結構あります

バルドラ >ある素材をテーマに据えてシナリオができたら、その素材作者さんにとっても嬉しいものでしょうか、やはり。

竹庵 >それは大喜びです。

※そりゃあもう、本来ならば感嘆符をたくさんつけても足りないくらい嬉しいです。

写真素材と絵素材

竹庵 >「写真素材屋」といっても私の感覚でしかないのですが、 写真素材屋と絵素材屋さんとはまた違う感覚もあるような気もします。なんとなく「素材」として使われてナンボというか、割り切って考えているような。

バルドラ >竹庵さんは、絵の素材も多く提供されていますが、違うものですか。

竹庵 >絵の素材のこと、すっかり忘れてた(笑)

バルドラ >張り紙とか、地図とか、とてもおもしろいです

竹庵 >いやあお恥ずかしい。「素材」として酷使されていい、と思ってます。

ラ・フランス > 個人的に絵の素材で印象に残っているのは現在公開停止中ですが、「鍋の番人」です

竹庵 >いい作品でした。統一された絵の雰囲気はいいですね。

バルドラ >あー、本当に良かったですね。背景一つとっても静謐に潜む闇を感じました

※「鍋の番人」は、ここもさんのシナリオ(2009年発表)。ギルドに登録されていますが、残念ながらリンク切れとなっております(2011年4月現在)。

ラ・フランス > そうですね、後は第一回座談会でも取り上げた「三文戯曲」とかも

バルドラ >ああ、もりりんさんは他のシナリオもとても素晴らしいです!

※もりりんさん「三文戯曲」(2000年発表)は、ギルドで入手できます。もりりんさんはこのほか「犬と少女と魚と」「墓石の街」を手掛けておられます。

竹庵 >きちんとイメージ通りに絵を描ける人はうらやましいなあ。

竹庵 >写真も似たようなものなのかな。シナリオ作者として使いたくなるような素材を撮りたいと思いますから。

素材を作るとき

バルドラ >作られる時、撮られる時は、シナリオでどう使われるだろうか、とか考えるものですか。

竹庵 >撮るときには、そこそこ考えていたりします。

バルドラ >シナリオを作られているというのは、素材提供をする時の大きな強みですね。

竹庵 >うまく言えないですが、素材に物語を乗せる感覚といいましょうか。 個人的には「窓辺」や「階段」が好きで。いろんな情景に使えていいかなと思って撮っていたりします。

※個人的に好きな室内写真素材。窓辺って、あれこれ物を思うのによい場所ですよね。

バルドラ >そこから様々な想像が膨らみますね。そういう素材はとても需要があると思います。

竹庵 >まったく想定外の使われ方をされていたりして。素材屋は楽しいです。

ラ・フランス > なるほど、第二回目の閑話休題に入ります

素材屋いまむかし

バルドラ >あまり詳しくないんですが、昔と比べて、素材屋さんの変化ってあったりしますか?

竹庵 >容量をあまり気にしなくてよくなったことはあるかもしれません。

バルドラ >ありがとうございます。それは大きいですね。可能性が広がります

竹庵 >うちで配布している写真素材は316×210サイズですが、今から始めるなら解像度を上げて提供していたと思います。

バルドラ >容量削減は、切実なテーマだったんですよね・・・

竹庵 >メッセージコンテンツの「OK」を削れば何バイト削れるとか、涙ぐましい時代があったと聞きます。ブロードバンドのおかげで、すごく凝ったグラフィックやサウンドを持つシナリオも普通になりましたからね。

Ask素材のシンボル性

ラ・フランス > GroupAskさんの作品がカード絵もシナリオ構造も非常にシンボル性が強いことをどう思われます?

竹庵 >いろいろなものが乗せられる、優れた「素材」であるなと思います。

バルドラ >しかも、繰り返し使われる事による中毒性(!)もあると思います

ラ・フランス > 中毒性ですか、リペイントやオマージュ作品もいっぱいありますし、分かります

バルドラ >カードワースをしていると、あ、この素材は別のシナリオで見たことがあるぞって事が良くありますよね。手塚治虫先生のスター・システムみたいで面白いなあと思いながらいつもプレイしてます。

竹庵 >「親父さん」はあの世界に何人ぐらいいるんだろう(笑)

ラ・フランス > PCとNPCの画像が被ることもあります(笑)

バルドラ >おまえは、おれか!みたいな(笑)

―― 「後編」(バルドラさんのサイト)に続く ――

座談会を終えて

ラ・フランスさん、バルドラさん、ありがとうございました。おかげさまで楽しいひと時を過ごすことができました。ログを見返してみますと、本ページでまとめた「私がテーマを振った部分」も含め、もう少し話を膨らませたり、おふたりからもっと多くの面白い話を伺ったりすることもできたのではないかとか、ここのところよくわからない返答をしてるよなとか、お見苦しい点、至らぬ点ばかりが目についてしまいます。お恥ずかしい限りです。

自分の世界についてはわりと「設定」を考えるのが好きで、自シナリオは一つの世界の上で縦横につないでやれなんて思っています。「前編」で触れたように自分なりの「リューン」のイメージはある程度ありますし、「親父と娘」の関係にも「俺設定」はあります。そうした「自分なりの固まった世界」がある一方で、作品ごとにリューンの地理も政体もバラバラな「他の人の世界」も、CardWirthというゲームとしてゆるーくカオスにつながっている。あらゆる可能性を否定しない懐の広さこそが、CWらしさなのだろうかなと考えます。

「後編」で中心的に話題になっていますが、「作品性」と「素材性」(あるいは、自己を表現する作家主義と、依頼に応える職人主義)について、私には十分に論じるだけの能力がありませんので、とんちんかんなことを言っているかもしれません。素材を提供するに際してそれなりに「こだわり」はあるつもりですが、自分の提供している素材がどう使われるかについては、それほど「こだわり」がない。あまり「作品」であると思っていないから、改変してもらうのはむしろ望むところというか。「『素材』として酷使されていい」という発言は、そのあたりの感覚を反映しています。

素材屋としてもシナリオ制作者としても長期休眠中ではありますが、素材やシナリオを公開しつづけている限りは、CardWirthの世界とゆるくつながっていられるのかな、などと思っています。できればまた、何か新しいものを提供してみたいです。

蛇足な補足

「前編」で江戸のツケ払いの落語があるという話をしました。思い浮かべたのは「掛取万歳(かけとりまんざい)」などの名で呼ばれている噺です(wikipedia「掛取万歳」)。ツケ(掛け売り)の支払いをしないといけない大晦日、長屋の住人「八五郎」さんが、ツケの取り立て(掛け取り)に来た大家さんや酒屋さんの趣味に合わせ、あの手この手で支払いを免れるおはなしです(参考:youtube「圓生 掛取万歳」)。

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