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竹庵の基本的な考え方

CardWirthと「著作権」

「著作権を守る」ことで何を守るのか

一般に、CardWirthのコミュニティは「著作権に厳しい」と言われます。多くのシナリオ作者や素材提供者の有志によって広げられてきたCardWirthでは、誰もが「著作権者」になり得ます。決して金銭では換算できない思いが動かしてきたという意味で、CardWirthの「著作権」問題は、商業的な著作物よりもむしろ事態が複雑になっているように思います。

「著作権を守る」のは大切なことです。しかし、「著作権を守る」ことで「何を」守ろうとしているのでしょうか。

著作権法の第一条には、その目的として「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」という言葉が掲げられています。利害の衝突する著作権者と利用者の関係に折り合いをつけ、「文化の発展」のために節度ある利用を可能にするのが、著作権法の精神であると考えます。ですから、「著作権者」は一人ひとり、望ましい「文化の発展」のかたちについて――Cardwirthに即して言えば、Cardwirthをめぐる創作文化の維持発展させていく上で、自分の著作物をどう位置づけるのが望ましいかについて―――考え、どこまでがOKでどこからがNGなのか、利用者に示すことが求められているのではないでしょうか。

創作の輪を回し続けるために

CardWirth公開から10年以上が経過し、当初は想定されていなかったであろうさまざまな問題が生じています。たとえば作者と連絡がつかなくなった場合の対処とか、シナリオが入手できなくなった場合の取り扱いとか、プレイ動画などによる「二次創作」にどう対応するか、とか。

私自身は自分の素材とシナリオについて、「出所を偽らない」など最低限のこと(規約を参照)さえ守られれば、基本的には自由に使っていただきたいと思っています。自分の作品が、CardWirthのシナリオ制作者やプレイヤー・愛好者を楽しませ、CardWirthをめぐる「創作」の歩みを更に進めることが、私の願いです。これはまた、CardWirthシナリオ以外の形で行われる創作についても同様です。

素材を利用される方へ

私の提供しております素材は、いろいろと欠点も多いかと思われます。素材の加工・改変はむしろ推奨いたします。素材に関しまして、たとえば解像度の違う写真画像が欲しい、などのご要望がありましたらご連絡ください。なるべくお応えするよういたします。

もし竹庵へご使用の報告をされた後であっても、皆様のシナリオによりふさわしい素材があった場合は、ぜひとも差し替えいただくようお願いいたします。素材の取捨選択は当然のことながらシナリオ制作者の自由でありますが、万が一にも当方に気兼ねなどなさらぬよう、念のため申し添えておきます。

CWの一プレイヤーとして、素晴らしいシナリオをプレイできるのはなによりの喜びです。当方の素材が、みなさまのシナリオ制作と CardWirth の発展に資することができましたら幸いです。

もしも連絡が絶えたら

形あるものはいつか消えゆくものですから、このサイトや、このサイトの運営者である竹庵もネット上からいつか消滅するでしょう。竹庵および竹庵サイトが消失した場合、最新版の本規定を竹庵の意志とします。最新版の確認や入手経路の確保その他において利用者が互助されることを要請します。

このサイトが消え竹庵がいなくなったあとも、もしこのシナリオや素材が必要とされる状況があるならば、お手数ですがこの文書を読むあなたの手で、竹庵に代わって提供(再配布)の労をとっていただければ幸いです。

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