脳内補完(のうないほかん)は、与えられた情報に不足している部分を、頭の中で勝手に想像すること。本来はいわゆる「オタク用語」とされるらしい。
CardWirthは昨今のゲームに比べて視覚的な訴求力が必ずしも高いとはいえない。また動的な表現にもあまり向かず、背景の表示から「紙芝居」に比喩されることもある。しかし、そうした視覚情報が与えられないことで、かえってプレイヤーの想像力のはたらく余地があると考えることもできる。CardWirthはユーザーがPCを自分で設定できることが特徴であり、PCを通じてプレイヤーが読み・捉え・解釈していくことで楽しめるゲームであると言える。シナリオ作者との見解の違いにより、「私のPC」が思いがけない行動をとったり、けしからん言葉使いをすることもある。与えられたものを受け取るだけではなく、シナリオ作者による設定の不足を埋め、自分好みの物語としていく上で「脳内補完」能力が問われると言えるだろう。
CardWirthが「合わない人には合わない」と言われる理由でもある。