読み物シナリオ(よみものシナリオ)は、シナリオのジャンルの一つ。おもに、文章表現による状況・心理描写を中心に「ストーリー」を展開させるシナリオを指す。紙芝居・小説、ノベルゲーム・アドベンチャーゲームなどに近い性格を持ち、プレイヤーにとしてゲームを「プレイ」するというよりも、物語を「読む」感覚になる。
「読み物(系)」はCWシナリオの分類としてよく用いられるが、使用者によって意味するところにはばらつきがある。
- 探索・戦闘といったゲーム的(TRPG的)要素が少ない(存在しない)シナリオ
- 登場人物(PC・NPCたち)の心理描写など「ストーリー」に重きを置いたシナリオ
- 視覚的・聴覚的表現に頼らず「文章表現」に力を入れたシナリオ
CardWirthで読み物シナリオを制作する利点(制作者視点)
- 物語の中に「任意のPC」を登場させることができる。
- CardWirthのシステムを用いた戦闘を組み込むことができる。
- クーポン参照や他シナリオとのクロスオーバーによって、物語に広がりを持たせることができる。
- エディタが使いやすい。
CardWirthで読み物シナリオを制作する上での問題点(プレイヤー視点)
- 長時間プレイや繰り返しプレイに、CardWirthというツールはそれほど適していない。
- NPCたちが「ストーリー」の中心になる場合、PCの処遇によってはプレイヤーの不満が高まる。
- 「読ませる」に足る構想力・表現力・演出力が求められる。
長編読み物やマルチエンディング作品を「読む」ツールとしてはCardWirthはそれほど適しているとは言えない。技術的なテーマにもよるが、既読部のスキップ、自動テキスト送り・任意個所でのセーブ/ロードなどの機能を備えているノベルゲーム・アドベンチャーゲーム制作に特化したツール(スクリプトエンジン。「吉里吉里」や「NScripter」など)を用いたほうが読者にとって親切であることがある。