拾穂文庫落穂拾い26 現在← →過去  :  日々の雑記

落穂拾い(26)

目次

どういう顔をすればいいかわからないの (2012/12/26)

 笑えばいいらしいのでありますが。

 シナリオ作者として、拙作をプレイしていただいた方に感謝の思いを抱くわけですし、お褒めの言葉なんて頂いた日には天にも昇る気持ちのわけです。一対一の交流といいましょうか、直接メールをいただいたり掲示板に書き込んで頂いた方には、お返事申し上げることにしております。しかしながら、twitterのようなところでつぶやいていただいた言葉を拝読いたしますと、もちろん嬉しくはあるのですけれど、どうふるまうべきか私は今もあまりよくわかっておりませんで、あれこれ戸惑ったりもいたします。

 気軽に呟いていただいたことに対して「作者でござい」とばかりにリプライしてドヤ顔でお返事するのも、折角楽しんでいただいたところに水を差すようで、ツイートのよさである気軽さを損なうようでもあり(私もプレイ感想を呟いたことはありますが、ほかのプレイヤーさんに「面白いよ!」と伝えたい方が大きくて、作者さんとコンタクトを求めてというわけではないのかな。もちろんご反応があればうれしいのですけれど)。さりとて何もお返ししないのも、フフンとお高く取り澄ましてるみたいで、これまた嫌な感じなのかなとも。あれこれ難しく考えずに、それこそ自然体に笑顔で交流できればいいのでしょうけれども。自分で複雑な迷路を組み立ててその中から出られなくなるような、性分でありまして。

 こんなところでこっそりとではありますが、クリスマス前後に拙作をプレイしてくださった皆さま方に、感謝の言葉を捧げます。プレイしてくださって、ありがとうございます。

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 どういう顔をすればいいかわからないついでで言えば、遠からずまた、長期休業となる可能性が大きいと思います。創作はかなりのエネルギーを消費しますし、実生活とのリソース配分を考えると、私にはその両方で同時に全力を尽くす力量はありません。シナリオのプレイであるとか、拙作の修正であるとか、サイトの実のある更新であるとか、できればしてみたいことはあれこれあるのですけれど。細々とでも定期的に更新を続けたいところではありますが。

 限られた時間ゆえに愛しくもあります。許された時間、楽しいことを目いっぱい楽しみたいと思います。

時代は回る (2012/12/22)

 ささやかながらも実生活において、背負うものができたり、大切なことができたりするのは、苦しくもあり喜ばしくもあることであります。一方で、CardWirthとのご縁が薄くなり、気づけば懐かしく思い出すものになってしまいましたことを、やはり残念にも思うのであります。

 遠い以前、CardWirthというゲームが最期を迎える時にそこに立っていたい、と記したことがあるように思います。寒風が厳しさを増し、枯野が広がっていく予感の中で踏みとどまり、倒れんとする巨木をせめて支えたいという、そのような気負いがありました。「CardWirthの歴史」を残してみようという、自らの力量をわきまえない無謀な試みも、その中から生まれたのだと言えます。しかしそうした荷を、今の私は背負うことは困難でありますし、また無理をして背負う必要は、もうとうにないのかもしれません。

 2012年は、CardWirthが再び活力を得た年であったと言えましょう。新エンジンの開発に力を尽くしてくださったLynaさんに感謝を捧げます。また、新たな創作を進めておられるシナリオ制作者・素材制作者の方々、プレイヤーの皆様者に御礼を申し上げ、新たな時代がより力強く紡がれることを祈るばかりです。光差す暖かな未来へと駆け抜けていく多くの人々の背中を見るとき、一緒になって走ることのできぬことに一抹の寂しさを覚えるのですが、こうした春の予感に満ちた光景を目にできたことは、やはり大きな喜びであるのです。

新年のごあいさつ (2012/01/03)

 遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

 すっかり受け手一方になっております。実生活での多忙さの増すことは喜びとすべきことなのでありますが、その中で何かをつくりだすゆとりを得たいと、切に願っております。

 今も多くの方がCardWirthを愉しみ、新たな創作を続けていることは、嬉しいことであるとともに頭が下がる思いです。いま一線にある方々による模索と挑戦を、この一隅より静かに応援いたしますとともに、せめて新たな可能性を開くうえでの障壁にならぬようありたいと思っております。

 飛龍の年2012年が、みなさまにとってよい年でありますよう。

infoseekメール (2011/09/07)

 9月1日付で、infoseekメールのサービスの移行がありました。事実上、hotmailに統合される形で、ユーザー側で若干の作業が必要でしたが、もろもろの設定更新は完了しており、送信受信ともに可能です。

 御用件おありの方には、今まで通りのメールアドレス(chikuan@infoseek.jp)で送っていただけます。

 今後ともよろしくお願いいたします。

梅雨空の下から (2011/05/28)

 近況など。CWについては、新たなものを提供したり、手を加えたりすることができないままでいます。

 実生活の方でいろいろなことがありすぎて、座談会が半年くらい前の出来事のように思えてしまいます。ラ・フランスさん《かどわす!!》をのぞいたら、うちの「用語集」の「CW座談会」の項目が、座談会の目次の役割を引き受けることになっておりましたので、あわてて修正を加えたりしたのが、この1か月ほどの更新のすべてです。

 《cw-port》によれば、isweb/COOL ONLINEがサービス終了とのこと。とくにCOOL無料会員のサービスは来月末で終了とのことです。また多くのサイト、シナリオや素材が失われてしまうのかと思うと、悲しいものであります。ブログやさまざまなSNSなど、発信の形が「ウェブサイト」に限らなくなったということがあるのでしょう。果たして5年後・10年後、シナリオや素材配布の形はどうなっているのでしょうか。

 どさくさにまぎれて、ツイッターはじめました(http://twitter.com/chikuan_shusui)。あまり新しいことを発信できそうにないので、おもに受信用になると思います。どうぞ気軽にフォロー/アンフォローしてくだい。

CW座談会 (2011/04/17)

 ラ・フランスさん《かどわす!!》が主催されているチャット企画「CW座談会」に参加させていただきました。参加者は、ラ・フランスさん、バルドラさん《ValdolaVale》、私で、大きなテーマとしては「素材」を掲げ、あれこれとお話を楽しみました。おふたかたとも、ありがとうございます。

 私の担当分のログ起こし(分担してそれぞれのサイトに上げることになっています)は、「第六回CW座談会 中編」よりご覧ください。

規定、あるいは委託 (2011/03/22)

 素材とシナリオ双方をひっくるめた「規定」を作りました。

 趣旨は、「作者名を偽られたり、出所不明にされたりすること」「他の人の手の加わったものを竹庵のオリジナルと誤解されるようなこと」「竹庵の著作物をそのまま再配布することにより利益を得ること」をしない限り、改変も再配布も二次創作も「自由」。今まで記してきた「素材規定」や、シナリオに添付していた「シナリオ利用規定」と考え方は変わっていません。「この文言ではこういう問題が生じるのではないか」という点があればご指摘ください。

 若干の文言変更は今後ともあるかもしれませんが、これだけ書いておけば自分としてはいいよなあと。たとえサイトやメールで応答ができない状況になったとしても、書き残したものが生きている状況があれば、需められるところへの供給の道は断たれることはないはず。

CW大辞典のwiki化 (2010/10/24)

 infoseek(isweb)に置かれていた《CW大辞典(4代目)》さんが移転されました。新サイトは《CW辞典4冊目@wiki》。ついにwiki化。《cw-port》さんと同じ@wikiですね。

 《cw-port》に見られるように、wiki形式は情報を持ち寄るのに最適。いろいろと可能性があると思います。CWとは別のところでwikiのサイトに絡んだことがありますが、共同編集できるせっかくのwikiを1人で編集するのはちょっと寂しいものです。《CW辞典》の今後のご発展を応援いたします。

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 「お前んとこのコンテンツはどうした」?

 なかなかバリバリとは更新できませんが、人様に気づかれないように、たまに手入れをしています。転載引用自由としておりますので、wikiの編集等に使えるようでしたら使い倒していただければと思います。こちらにもwikiで「ネタ」を仕入れたいという下心もあったりします。すっかり事情に疎くなってしまっているので、なにか面白そうな題材があれば、それを確認しにいこうかなと思っております。

Web廃墟 (2010/10/24)

 「Web廃墟」なるものが2chのVIP板で取り上げられ、一部で話題になってるらしい(やじうまWatch「いまなおアクセスできる過去の有名サイト「Web廃墟」 ほか」インプレス社 INTERNET Watch、2010/10/4付)。一時期話題となったけれども、更新されなくなってしまったままでまだアクセスできるサイトだそうな。ぶっちゃけて言えば「放置サイト」なのだけれども、「廃墟」とは風情があって、よい表現だ。山の中で忘れ去られた鉱山の堂々たる遺構のように、過ぎ去っていったはずの時間が、まるで止まったように残されている。

 おおこれは私も見てたぞというサイトもあれば、公的機関のサイト、いかがわしいサイトまでいろいろ。一世を風靡したテキストサイトやflashサイト、中には前世紀以来更新されていないという剛の者もある。日本では1995年ないし1996年が「インターネット元年」と言われるのだから(ちなみに、CardWirthは1998年公開)、10年以上時が止まっているサイトがあるのも不思議ではないかもしれない。

 面白いのは、取り上げられたサイトのいくつかが反応を示していることだ。

 サイト運営をやめても、「中の人」はおそらくネットに触れ続けてはいるわけで。こういう形で昔の自サイトが呼ばれると、やはり反応を返してしまうものだろう。

 CardWirth関連のサイトでも、長らく更新されていないサイトは結構ある。他人のことは言えないけれども。なにかのはずみで気楽に戻って来られる場所でいいなと思う。

ギルドからのリンク張り替え (2010/10/06)

 ギルドからのリンクを張り替えました。シナリオへの道が切れないようにする応急措置です。今回はただそれだけですので、少なくともここ2年のうちにシナリオをダウンロードをされた方は、今回改めてダウンロードされる必要はありません。

 本当はシナリオファイルに同梱されているリードミーの中身も修正しないといけないし、規約類のアップデートもしたいし、lzhをcabにも置き換えたいし、やりかけたままのシナリオの修正も完成させたいし。本当は、本当はと、そればかりであります。活動を停止されていた方が再開されたり、「寝る前サクッと」の第六弾が出たり「CW座談会」という企画ができたりと、この界隈は動き続けているにもかかわらず。

 サイトにせよシナリオにせよ、あれこれ手入れはしたいのですが、小回りが利かないのはいかんともしがたいところです。

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 CWLN(CardWirthLinks'Network)にも行ってきました。本家に顔を出すのも、実に数年ぶり。「1.20時代」が暮れかかるころにCWを知った身としては、「かつてコミュニティの中心だった場所」を訪れるのに、いくらか寂しさを覚えるような。喩えとしては、星間国家群を舞台にしたSFで地球に巡礼しに行くような感じと申しましょうか。

 更新を再開された方、シナリオをvectorに託してサイトを閉鎖される方、健在で活動される方。CWLNに消息を残していかれる方もいらして、やはり嬉しいことです。

ありがとうinfoseek (2010/09/12)

 infoseekさんの無料ホームページサービス(iswebライト)が、10月末日で終了します(《インフォシーク ユーザサポートからのお知らせ 》より「インフォシーク iswebライト 終了のお知らせ」)。本サイトの今後についてもご心配をおかけしたようで、引田さん《53》には、わざわざ掲示板にお越しいただいてお報せをくださり、ありがたいことでした。

 http://chikuan.hp.infoseek.co.jp/ の地に、人生で初めて「ウェブサイト」というものを開いたのが、2003年4月15日。爾来7年半近く、infoseekに間借りしたサイトで、素材屋・シナリオ制作者としての充実した日々を送ることができました。以後、画像素材を増やしていく中で、geocities や fc2 にも「分室」を設けましたが、CardWirth ユーザーとしての私のネット上における「拠点」という意識は、 infoseek に置いた「本室」にありました。

 そうした私個人の愛着に加え、素材を使っていただいた多くのシナリオのリードミーや、シナリオを紹介していた多くのサイトに、《拾穂文庫》のアドレスとして infoseek のURLが記されています。有料サービスに移行するか、ほかの無料サービスに移転するか、どうしたものかとずいぶん考えておりましたが、結局他の無料サービスへの移転に決しました。維持運営のために負担をかけないのが「趣味の長続き」のためには必要なのではないかと思います。「金の切れ目が縁の切れ目」にならないよう……などといろいろ申しましても、ぶっちゃけ「ケチ」と言えるのかもしれません。関係各位にはリンク張り替えなどのお手数をおかけいたします。相すみません。

 2009年3月に無料掲示板の閉鎖があった頃(落穂拾い)から、いずれ事態がここに及ぶ流れはあったのでしょう。ネット上の無料のサービスを紹介する《Kooss》さんは「楽天(旧インフォシーク)の無料サーバー iswebライトが10月末終了。」で、今回の事態を「基本的には、ブログやHPスペースの無料提供が、広告収入によるビジネスモデルとしてなり行かなくなってきた」ことの象徴、とまとめています。むしろ infoseek は、「Perl可の大手の無料HPとしては、よく粘った位ではないか」とのこと。「店子」としては「大家さん」に感謝の次第です。

 いままでありがとう、さようならinfoseek。

 ninja tools さんができるだけ長く「無料ホームページ」でビジネスでき、ウェブスペースを提供してくださるようお祈りする次第です。これからよろしくお願いいたします。

時の流れ行くままに (2010/05/01)

 《大分むぎ焼酎 二階堂》のテレビCMは、詩情あふれる映像と言葉が見る者の心にすっと入り込む秀作として知られています。ノスタルジーに誘い、内面を振り返らせてくれるような作品の中でも、「始まりと終わりを直線で結べない道が、この世にはあります。迷った道が、私の道です」(「消えた足跡」編、2008年)というフレーズが、私にはぐっと来ます。

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 《拾穂文庫》が休眠状態になって久しいです。時は移り、環境も変わり、時間や気力をCWに傾けることが、正直難しくなっております。

 ひところはそれなりに勤勉にサイトの更新をし、「クーポンの傾向と対策」や「年表」などいろいろと手を広げました。シナリオ等いろいろなものを未完のまま置き去りにしています。「無責任」の非難も甘受せねばならぬでしょう。「CW外」の諸事情に押し流されていくのは、いくらか心苦しく感じてもおりました。もう、「無責任」な一人でもいいかなあ、などと思ったり。

 最近は、《CardWirth Skill Wiki》《CardWirth 非公式辞典》など、さまざまな取り組みをされてる方もいらして、嬉しい限りです。

妖刀裏紫苑 (2010/04/02)

 昨日のうちにblackholeさん《analog space》のところも見て回ったのに、何の疑問にも思わなかった自分を呪いたいハゲチャビン。

近況、綾守克実さんの「if」(著作権テンプレ) (2010/04/01)

 エイプリルフールです。引田さん《53》、大好きです。お付き合いしてください!

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 「こんな日でなければやらないこと」で「見る人が喜びそうなこと」って言ったら、なによりも「サイトのまともな更新」じゃないか、などと思うようになると、ああ、だめなサイトだなあと現実を認識してしまいます。わあい。

 妄想をめぐらせ創作として結晶化させるには独特のエネルギーが必要であるのですが、ここしばらくそれが低下しております。まあ、そういうときもあるさね、ってなものなのですが。実生活のほうもなんやかやで忙しくなり、時間と意識の配分が難しくあります。

 「すっかりリア充なんでね!」…… むむむ、いかにエイプリルフールとはいえ、この嘘は自分にもダメージが大きすぎる……。

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 冗談はさておいて、「テンプレート」構想の旗をいっとき振りながらフェイドアウトしてしまった点は申し訳なく思っています。

 すでに旧聞に属しますが、綾守克実さん《星屑町80番地》で"if"が配布されています。活動停止したときの素材利用やシナリオのクロスオーバーに関する規約のテンプレートとなっています。さまざまな状況に対応できるものとして十分な、すばらしいものです。案外、「これを決めておかないとこういうことで困るのか」ということがあると思いますので、シナリオ作者・素材作者さんには一度ぜひご覧になってください。

 CardWirthが生きたゲームであるためには、「シナリオを作る」というサイクルを回し続けていかねばなりません。著作権云々にせよ、コミュニティのあり方にせよ、「シナリオを作る」という営みを容易にするためにあったほうがよいと思っています。敷居を高くして参入にしり込みさせるというのは、自らの首を絞めていく、よくない方向だろうと。

 その前にお前のサイトが瀕死じゃねえか、ってところですけれども。せめて素材だけは提供すべく、維持はおこなっていきます。

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