CardWirth
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- 最終改訂：2011/03/27
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| ver.1.28の通常宿の画面 |
CardWirth（カードワース）は、groupAskが制作したWindows用マルチシナリオ型ロールプレイングゲーム。1998年8月に公開された。
ゲームの概要
システムを掌るプログラム「エンジン」（本体）と、個々の冒険の舞台や進行などを定義する「シナリオ」から構成される。所定のフォルダ内にシナリオデータを追加することで、ゲームの舞台を拡張できることが大きな特徴の一つである。平易な「エディタ」が附属しているため、プログラミングに疎いユーザーにも比較的容易に追加シナリオを作成できることも魅力である。プレイヤーが任意のプレイヤーキャラクター（PC）を作成することができる点など、テーブルトークロールプレイングゲーム（TRPG）の特徴を受け継いでいる。
現在のCardWirthエンジンのバージョンは1.28である。groupAskは現在コミュニティの運営から離れており、ユーザー有志による団体「カードワース愛護協会」によってエンジンの配布やコミュニティの運営がおこなわれている。
ゲームのコンセプト
開発者であるgroupAskは、このゲームのコンセプトについて
【ＣａｒｄＷｉｒｔｈ】は、ＴＲＰＧ（テーブルトークＲＰＧ）の自由度と、カードゲームの遊び易さを融合した、新しい形態のＲＰＧです。
と述べている。
開発者であるgroupAskによるシナリオやデフォルトの素材（中世ファンタジーＩ型）を参照すると、このゲームは「中世ファンタジー世界」（いわゆる剣と魔法の世界）を舞台に、「冒険者」たちがさまざまな「冒険」に挑むゲームである。TRPGと同様、妖魔退治・遺跡探索などひとつひとつの「依頼」「課題」を果たす個々のシナリオの集積であるといえ、「CardWirth」全体での大きな目的は存在せず、その意味で「CardWirthのエンディング」は存在しない。
groupAskによる設定がしばしば「公式設定」に相当するものとみなされるが、絶対的なものではない。groupAskはシナリオで必要となる部分を除いて細かな設定は行わず、また「カードワースの世界はＡＳＫが押し付けるものではなく、皆さんの発想にこそ拠って立つべしと言うのが基本理念ですから（早い話がちゃらんぽらんと言う意見もあります）」[↓註]との見解をとっていた。
ユーザー有志間で共通設定を模索する試みはあるが、シナリオ間のクロスオーバー以上の広がりは持たず、また強制力を持つことは歓迎されていない。CardWirth全体の「公式設定」を統制する機関が存在しないため、ＳＦシナリオ・西部劇風シナリオ・現代日本風シナリオなど、いわゆる「中世ファンタジー」を逸脱したシナリオも多数登場し、「なんでもあり」の間口の広さを示している。
沿革
1997年、斎藤氏を中心に倉貫氏・赤塚氏が結集し開発を開始。1998年8月18日よりダウンロードが開始された。
1998年9月12日、公式サイトに以下のメッセージが掲げられ、シナリオ募集がはじまった。
ＣＷ−シナリオ募集開始！！
ＣａｒｄＷｉｒｔｈ用のシナリオの募集を行います。
groupAsk は現在、皆さんの報告を元にしたデバッグ作業に追われている状況でして、シナリオを頻繁にアップする事ができません。
そこで、皆さんから、広くシナリオを募集する事によって、カードワースワールドの充実・拡大を図りたいと考えています。
また、ＣａｒｄＷｉｒｔｈは、我々だけのものではなく、利用する皆様のものだとも思います。だから・・・
みんなで、ＣａｒｄＷｉｒｔｈを発展させていきましょう。
バージョンの変遷
1.10から1.20までの変遷は本家サイト「開発履歴」による。ただし、旧ギルドには「エンジンver.1.03のシナリオ」「エンジンver.1.15のシナリオ」「エンジンver.1.20のシナリオ」の３分類のみが存在し、「レベル制限の無かった旧バージョン(1.03)公開時」云々の文言が見られるため、1.10,1.13,1.14は正式版としては公開されなかった可能性があり、よくわからない。
| 更新年月日 | エンジン バージョン | エディタ バージョン | 主な改訂点 | 1998/08/18 | 1.00 | 1.00? | 1998/09/04 | 1.03 | ？[Ask] | 1998/10/02 | 1.10 | ？ | 1998/--/-- | 1.13 | 1.01 | キャストに性別・年齢、特徴クーポン付与 シナリオ間のカード認識を可能に 「貼り紙」に対象レベル表記 「汚名」（マイナスクーポン）が可能に |
1998/--/-- | 1.14 | 1.14 | PCのレベル上限（Lv.10）設定と上昇の困難化 台詞コンテンツの追加（称号に合ったメッセージ表示） ステップ増減・フラグ反転・ステップ上下分岐・時間経過・ レベル分岐・状態分岐・人数分岐の各コンテンツ追加 召喚獣所持枚数の減少 |
1998/12/27 | 1.15 | 1.15 | 戦闘時BGMの設定 効果系カードの価値（「日用品」「希少品」「貴重品」の区別）導入 キーボード操作を可能に 引退と復帰が可能に[Ask] |
1999/08/24 | 1.20 | 1.20 | デバグ宿設置 背景への.jpg利用が可能に 効果系カードの効果属性見直し 特殊文字の使用（色・PC名・変数の埋め込みなど可能に） 戦闘仕様の変更 貼り紙の10枚スキップ シナリオフォルダの階層化を可能に 宿屋クーポン（ゴシップ）設定が可能に デバグモードの機能拡張・Ｆ９の導入 宿屋クーポン操作・終了済みシナリオ操作コンテンツ追加 呼び出し（コール）・パッケージリンク／コールコンテンツ追加 パーティー隠蔽／表示・効果中断・ エリア分岐・バトル分岐・バトル判定コンテンツ追加 |
2003/08/26 | 1.28(07) | カードワース愛護協会より配布 | 2003/12/16 | 1.28(08) | カードワース愛護協会より配布 | 2005/12/29 | 1.28(11) | カードワース愛護協会より配布。mp3対応 |
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参考
- ◇groupAsk《groupAsk Website》 （2000年4月〜現存）
- ×groupAsk《groupAsk Website》 （1999年3月？〜2000年4月）
- http://www.mediawars.ne.jp/~kuranuki/
- ◇[Internet Archive]
- ×groupAsk《groupAsk Website》 （1998年8月〜1999年3月？）
- http://www.mediawars.or.jp/~kuranuki/
- ◇[Internet Archive]
- 〈CWエッセイ〉
- ◇Wikipedia「CardWirth」
- 開発史が詳しく書かれている。
註
- [↑] 「カードワースの世界はASKが押し付けるものではなく〜」…… ◇旧CWUN・1409番ツリー「ゲーム中の都市ヴィスマールについて」（1999年4月8日）内の1471番投稿「Re:ゲーム中の都市ヴィスマールについて」（1999年5月2日）。