ヘンルーダ草
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ヘンルーダ草(ヘンルーダそう)は、『鳥の歌が聞こえない』に登場する薬草。アダンの「薬草の森」に自生しているところが描写されている。なお、「ヘンルーダ」という名を持つ薬用植物は実在する。
実在の「ヘンルーダ」
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◇「ヘンルーダ」 |
実在の「ヘンルーダ」はミカン科の植物(Ruta graveolens)。地中海沿岸地方の原産。「ヘンルーダ」という名称は和名であり、オランダ語名wijnruitの転化であるという。英名はrue(ルー)。
初夏に黄色い花をつける。葉にはシネオールという成分が含まれる。鎮痙剤(けいれんやうずきを鎮める薬)・通経剤(月経の促進剤)・駆虫剤などとして用いられたが、一方で毒性がある。
「恩寵と追憶の草」と呼ばれ、「単にその匂いを嗅ぐだけで悪疫を追い払う」とされる。また、「視覚を鋭敏にし、才知をきわだたせる」と考えられ、「ヘビ、サソリ、ハチに咬まれた傷を癒す」と考えられた。銃の火打石をヘンルーダとヴァーヴェイン(クマツヅラ類)と一緒に煮ると狙う獲物に必ず当たると考えられたともいう[↓註]。
参考文献
- C.M.スキナー著(垂水雄二・福屋正修訳)『花の神話と伝説』(八坂書房、1999年)
註
- [↑] ヘンルーダの伝説…… C.M.スキナー著(垂水雄二・福屋正修訳)『花の神話と伝説』(八坂書房、1999年)による。