店シナリオ（みせシナリオ）は、CardWirthのシナリオのジャンルの一つである。広義では、技能（スキルカード）・物品（アイテムカード）を販売・頒布するシナリオ全般を指す。狭義では、単一店舗で技能・物品を販売するシナリオを指す。
店シナリオ（広義）のジャンル
『交易都市リューン』のように、「都市」や「町」になぞらえた舞台を持ち、複数の技能系統やアイテムを扱った技能・物品頒布シナリオは「街シナリオ（町シナリオ）」と呼ばれることがある。
剣技スキルなどを販売するシナリオでは、「師匠」について技能を修得する演出が行われることがあり、「道場シナリオ」と呼ばれることがある。
単に技能や物品を販売するだけでなく、イベントを組み込んだシナリオもある。「イベント多発型店シナリオ」、「イベント多発型街シナリオ」を参照されたい。
銀行券という特殊なアイテム（商品）を扱う「銀行シナリオ」も店シナリオの一種と言える。
店シナリオ（広義）の特徴
NPCの行動をつかさどるスキルカードやアイテムカードは、CardWirthというゲームにおいて必要不可欠なものである。「キーコード」が適正に設定されたカードを手許に揃えることは重要である。明示された「職業」システムがないCardWirthでは、PC像の構築の上でスキルやアイテムは重要な材料でもある。よって、これらのカードを頒布する店シナリオは、欠かせないものであると言える。
スキルまたはアイテムのアイデアを得、画像を用意することができれば、「シナリオ」としての形を完成させること自体は比較的容易である。技能や物品の来歴の設定、あるいは「店主」キャラクターの造形を通して、自分の思い描くひとつの完結した「世界」を表現することができるため、制作者にとっては人気のあるジャンルである。
しかし、CardWirthにおいてスキルやアイテムは、他の作者が制作したスキルやアイテムと混用されたり、他の作者が制作するシナリオ群の中に持ち出されて使用されたりするものである。
店シナリオの制作（スキルやアイテムの制作）は、バランス調整などに微妙な匙加減を必要とする、実際には制作の難しいジャンルである。