リレーシナリオは、複数の作者が結集し、ひとつのシナリオ(または連作)を作り上げる試み。
一つの物語世界が構築される過程はおそらく刺激に満ちたものになると思われ、また共同制作が完成した時の達成感もひとしおのものになるのだろうと考えられる。草創期以来、いくつかのリレー企画が立てられた。しかし、それぞれのこだわりのある作者の共同作業には協調性が求められ、プロジェクトを纏め上げるのには相当の力量と辛抱強さが必要になるらしい。このため、完成に至ったリレーシナリオは多くはない。
頓挫したリレー企画に参加したことのある天かける翼氏は、サイトに公開した文書「CW企画への鎮魂歌」(2003年6月頃)の中で「企画という物は最初から明確かつ実践できる目的意識がなければいけない」と記すとともに、リレーシナリオ等共同作業で行われる企画の成立に必要な諸条件を整理している。
おもな類型
以下に掲げる「類型」は、竹庵による類型分類。
共同連作型
ある主人公や状況を設定し、いくつかのシナリオから成るひとつのシリーズ(連作)を構想。参加者はそのシナリオの一つの制作を担当する。シナリオ相互の関係の強弱にもよるが、設定のすり合わせや全体構想の調整が必要となる。
単話共作型
ひとつのシナリオを複数の制作者が制作する。『チュカリレーシナリオ#1』では、途中まで制作したものを次の参加者にメールで送付(リレー)し、イベントなどを付加していく形が取られたという。
主要なシナリオ・企画
- 「少女の記憶」(2000年10月〜2001年末頃):頓挫
- 『Ultimate Quest episode.1』(2000年12月公開):完成
- 「断頭台の少女」(2001年2月11日企画旗揚げ〜):頓挫
- ◇TED氏《CardWirthでリレーシナリオを作っています》(コンテンツ消失)
- TED氏、IKA氏
- 共同連作型。ルート分岐の「ツリー化」を行ったストーリー拡散型連作。
- ◇TED氏《CardWirthでリレーシナリオを作っています》(コンテンツ消失)
- 『チュカリレーシナリオ#1』(2004年9月公開):完成
- チュカFC(首藤氏・ACD氏・INNAZZUMA氏・如月蘭氏・白氏〔夜月青葉氏〕・フォルス氏)
- ◇リイ氏《チュカリレーシナリオ企画》
- 単話共作型。
- 『冒険活劇三部作〜林檎と槌と青の輝石〜』(2006年8月公開):完成
- チーム三日坊主(CZN氏・弧月残雪氏・ion氏)
- 共同連作型。3作。
- 『おおきな王子様』(2008年12月公開):完成
- サークル毒餃子(R氏、white-wings氏、釈迦釈迦チキン氏)
- 単話共作型
- 『冷え切った部屋』(2009年2月公開):完成
- サークル毒餃子(R氏、ピノ氏、white-wings氏、ハル氏、釈迦釈迦チキン氏)
- 単話共作型
関連項目
参考史料
- 天かける翼氏サイト内「CW企画への鎮魂歌」