拾穂文庫第一分室CardWirth史年表用語集【こ】

交易都市リューン

交易都市リューン
作者 齋藤 洋氏groupAsk
発表 1998/08/18 公開 [RM]
入手可能 (公式ギルド登録シナリオ)
サイト groupAsk《groupAsk Website》
Vector CardWirth スタートパック
外部参考サイト
Skill Wiki 「交易都市リューン」

交易都市リューン』(こうえきとしリューン)は、groupAskシナリオのひとつ。齋藤洋氏が制作した店シナリオ(町シナリオ)である。


作品について

1998年8月、CardWirth本体・『ゴブリンの洞窟』と同時に公開された、「最初のCardWirthシナリオ」のひとつである。現在もCardWirth本体同梱で配布されている。

CardWirthの原作者が制作した唯一のスキル・アイテム配布シナリオであり、基本的なスキルが取り揃えられている。本作でのスキル設計は、多くの技能頒布シナリオでスキル設計の参考にされているため、「リューン基準」がスキルの「バランス」を取る上での指標とされることが多い。

初期のバージョンでは「魔法薬」が売られていたという。

設定と解釈

多くの作品の舞台となる都市リューンの初出であり、聖北教会賢者の塔など、舞台となる世界(中世ファンタジー世界)に手がかりを与えてくれる作品でもある。

地理

リューン

本作がリューンの初出であり、本作で提示された情報は後続作品に設定に大きく影響している。本作には「リューンの街に到着した」というメッセージがあり、冒険者の宿の場所をめぐる考察の一つの材料となっている。

組織

闘技場
聖北教会
賢者の塔
精霊宮
盗賊ギルド

技術

基本的な「店シナリオ」のスタイル

本作には5つの「店舗」があるが、いずれも「店主」のいない、シンプルな「店シナリオ」である。陳列されているカードには「値札」が貼られており、費用の把握とともに技能レベルの把握の上で便利になっている。カードクリック時に説明文が表示され、購入かキャンセルかを選択する。

スキルの価格についても、多くのシナリオで本作に従った価格設定が行われている。本作で販売されるスキルの技能レベルは1,3,5,7と1つおきになっている。技能レベル1のスキルは600sp、技能レベル3は1000spというもので、(技能レベル×200)+400sp という式が成り立つ。ただし、「盗賊の手」だけは技能レベル3に対して1400spとなっている。

基本的な「解説」のスタイル

スキル説明文のスタイルは、基本的に

「レベル×技能カード(種別)。説明文〜〜」

というものである。説明文では明確な数値に関する記載はなされず、文章によって必要な適正とおおまかな効果・リスクを知らせている。このスタイルは多くのスキルで応用されている。

リューンスキルの技能カード種別には2種類しかない。「」(剣技・闘気術・盗賊技能)と「呪文」(僧侶系・魔法・召喚)である。すなわち「沈黙時に使えるか使えないか」(発動時の発生の有無)で区別されている。

練硬気にはスキルカードに「種別」がないが、これは設定ミスと思われる。

スキル性能の「リューン基準」

スキルバランスの基準として本作が参照されることが多く、「リューン基準」と呼ばれる。リューンスキルを研究した初期のサイトとしては木村貴次氏《木村屋》が知られている。

CardWirthが複数の作者のシナリオをまたぐため、スキル設計の影響は一シナリオ内にとどまらず他作品にも及ぶ。過度に強力なスキル(インフレスキル)が氾濫し、またそれに対抗してシナリオの難易度がむやみに強化されると、従来のスキルやシナリオの陳腐化といった事態が進行しかねない(楽しむためのスキルやシナリオの取捨選択がプレイヤーの裁量に委ねられている、という見方もできるのであるが)。このため一定の標準が必要とされるが、このときに利用されることが多いのが「リューン基準」である。シナリオ制作に関して「対象レベル」は、標準的に制作されたPCがリューンのスキルのみを所持してクリアできる目安とされる。

ただし、groupAskによってすべてのスキルの標準にすべきということは言明されておらず、あくまでもユーザー側の「目安」であることは留意すべき点である。また、草創期以来更新の行われていない作品でもあり、スキルに含まれる問題点を指摘して、スキル制作における「リューン基準」の「神聖化」に疑義を表明する意見もある。たとえば古い時期から行われてきた疑義として、「『盗賊の手』はスキルとして必要か」「『亡者退散』『魔法の矢』『眠りの雲』が強すぎる」「精霊召喚技能の技能レベルが高すぎる」といった点がある。

関連項目

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