拾穂文庫第一分室CardWirth史年表用語集【き】

教会の妖姫

教会の妖姫
作者 齋藤 洋氏groupAsk
発表 1998/09/27 公開 [Ask]
草創 1.20前期 1.20後期 1.28一期 1.28二期
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
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サイト groupAsk《groupAsk Website》
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Vector CardWirth シナリオパック 3

教会の妖姫』(きょうかいのようき)は、groupAskシナリオのひとつ。齋藤洋氏が制作した長編都市探索シナリオ。

概説

1998年9月発表。「情報収集」によって進行する都市探索シナリオ。最も多くの人物が登場する。

本作品では「聖北教会」に関する多くの言及がなされている。また、「領主」の姿が描かれるgroupAsk唯一のシナリオである。

内容

ストーリー

宿の亭主の依頼で、北の宗教都市ラーデックに住む亭主の友人に届け物をした冒険者たちは、リアーネという少女を探す若者たちに出会う。教会の庭に住んでいたという謎めいた少女の痕跡を追うかれらの前に、聖北教会異端審問官・バルドゥアが立ちふさがる。そして、事態は思いもよらぬ方向へ……

ミッション

「貼り紙」に記されたミッションは、宿の亭主のパイプと手紙を、ラーデックの「猫の額亭」の亭主に届ける。報酬は依頼人(宿の亭主)からは提示されないが、「猫の額亭」の亭主が500spを支払う。

ラーデックにおいて、失踪した少女リアーネをめぐるミッションが行われる。これが本シナリオの「本編」となる。

対象レベルは1-3に設定されている。

設定と解釈

人物など

宿の亭主

冒険者たちが世話になっている、いつもの宿の亭主。煙草は吸わない。「うちの爺さん」が使っていた「値打ちもん」のパイプを友人に贈るため、冒険者たちをラーデックに使いに出したところから、本作の冒険は幕を開ける。

「猫の額亭」の亭主

いつもの宿の亭主の20年来の友人。ラーデックで宿を営む。無類の煙草好きで、パイプの届け先。シナリオ上に名前は現れない。ただ、内部におけるステップ名、画像ファイル名として「エミール」と記されている。

エマ

「猫の額亭」の亭主の娘。ウェイトレスを務めている。

アルフレート(アル)

ラーデックの領主ウィルヘルムの長男。「なかなかの美男子」「華奢な体付きに高貴な顔立ち」と描写されている。17歳

トービアス(トビー)

ラーデックの武器屋・オイエ商店の息子で喧嘩巧者の若者。「下町育ちの悪がき」と描写されている。アルフレートの幼馴染。18歳。

リアーネ

アルフレートが、教会の聖園で逢瀬を重ねている娘。16歳くらい。

エルンスト司教

ラーデック教会の最高責任者。ライン司祭曰く「非常に徳の高い僧侶」。かつては異端審問官であり、魔物から人々を守り、その道のエキスパートとして名を馳せた。法皇とも親交があるという実力者だが、気さくな人物。ラーデック領主ウィルヘルムとは古くからの友人で、「若い頃には一緒に近隣の野山を探検した」仲。8年前に息子ホッベルト一家を事故と病気で失っている。62歳♂。

ライン司祭

ラーデック教会の司祭。エルンストの弟子。

バルドゥア

異端審問官。司祭の位にある。Askシナリオ屈指の悪役。35歳♂。

ブルーノ

ラーデックの豪商・ケンプ家の放蕩息子。トービアスとは犬猿の仲。20歳♂。

ウィルヘルム

ラーデック地方の領主。名門として知られるデューネリヒト侯爵家の当主である。妻を病で失っており、アルフレートは一人息子。ライン司祭曰く「知勇に優れた名君」、リュッケ隊長曰く「手腕と良識の双方に富むお方で、善政を敷き、領民からも慕われておいでです」。
アルフレートの所持するスキル「鷲嘴剣」の解説に「ラーデックの名門デューネリヒト家」とある。

リュッケ(衛兵)

領主邸を守る門衛。登場するほとんどの場面で「衛兵」と表示される。プレイ中に「リュッケ」の名が明らかになるのはある状況のみ。その場面では「兵隊を指揮するなんて初めて」というセリフがある。なお、画像ファイル名は「リュッケ隊長」。

地理

ラーデック

本作の舞台。「宗教都市」として知られている都市で、リューンの北にある。冒険者のセリフに「ラーデックの周りは山だらけ」という文言があることから、山中に開けた盆地の町と思われる。

聖北教会ラーデック教会

冒険者曰く「リューンの教会とは規模も参拝者の数も桁違い」。礼拝堂、鐘楼、庭園などがある。

猫の額亭

いつもの宿の亭主の友人が営む宿。その名の通り「店内はかなり狭い」。

黒犬亭

ラーデックの裏通りにある酒場。猫の額亭の亭主曰く「この街のごろつきどもが集まる酒場」。赤毛の女主人が切り盛りしている。

聖園

ラーデック教会の礼拝堂の裏側にある庭園。神の降りる場とされる。

アロント

バルドゥアの前任地。

レイアス・ネア国

話の中に登場する、ラーデックの東方にあると思われる国。8年前に紛争があり、ラーデック騎士団が出動している。

領主邸

ウィルヘルムの邸宅。冒険者曰く「屋敷と言うよりは実戦向きの城塞に近い」。

ヴェヒトファイエル山

領主ウィルヘルムの山荘がある郊外の山。

組織

聖北教会

教会を舞台とする作品のため、本作では多くの設定が行われている。「法皇」の存在、「司教」位の存在は本作で初出。教会組織は、世俗権力の介入を許さない治外法権となっている。僧職にある者の犯罪は国の法ではなく、教会の定めた法による「神前裁判」で裁かれる。

治安隊

「治安隊」の名称は本作が初出。8年前の「吸血鬼事件」の捜査には、大した被害の出た事件でもなかったためか、消極的であった。

ラーデック騎士団

領主ウィルヘルムの下にある騎士団。騎士団の中にウィルヘルム直属の「近衛隊」がある。

物品

パイプ

今回の依頼の発端となるアイテム。素材は樫の木。

揚げじゃが

「猫の額亭」で揚げている。

タイマ草

山地にたくさん生えている草。よく服に引っかかる。

モンスター

ラミア

歴史

吸血鬼事件

8年前の夏にラーデックを騒がせた怪事件。一連の通り魔事件であるが、死者は出ていない。被害者の首には二本の牙の跡が残されていた。悪質ないたずらと見た治安隊は捜査に消極的であり、またラーデック騎士団はレイアス・ネア国との紛争に出動中であった。事件の捜査に乗り気であったのは、これを吸血鬼の仕業であると見たラーデック教会で、教会は討伐隊を編成した。

技術

「アイテム」に付せられたキーコードの働きが重要となっている。

影響

本作へのオマージュとして、菅かる氏『Lamia』がある。

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